PHPの開発環境を構築する手順をここに記しておく。
といっても「Webサーバ+PHP」という組み合わせではなく、単純にローカルでPHPのプログラムを動かすための方法ですが……。
PHPのダウンロード
PHPユーザー会のHP(http://www.php.gr.jp/)を開き、PHP関連情報にある「PHPのダウンロード」をクリック。
英語版サイトのダウンロードページに飛ぶので、取得したいバージョンの「Windows downloads」をクリック。
ダウンロードページにはひとつのバージョンごとに4タイプのファイルがあるが大体次のような意味合いがある。
x86 Non Thread Safe | 32bit版。WEBサーバーにIISを利用する |
x86 Thread Safe | 32bit版。WEBサーバーにApacheを利用する |
x64 Non Thread Safe | 64bit版。WEBサーバーにIISを利用する |
x64 Thread Safe | 64bit版。WEBサーバーにApacheを利用する |
欲しいファイルの「zip」をクリックしてダウンロードする。
ローカルで動作させるだけならbit数だけ気を付けてwebサーバについてはどっちを選んでもいいだろう。
PHPをインストール
ダウンロードしたzipファイルを任意のファイルを展開する。
ここでは”D:\php7″としたが、Cドライブでもいいし、別のフォルダ名でもいい。
Windows環境変数の設定
おそらくここはWindowsのバージョンによって操作方法が違うので注意。例はWindows10 pro バージョン1809でのやり方である。もし自分の環境での操作がわからなかったらコルタナさんに訊けばだいたい解決する、たぶん。
システムのプロパティを開き
詳細情報→環境変数
システム環境変数のPathにPHPインストールフォルダを登録
動作確認
コマンドプロンプトを開き、”php -v”を実行する。
上のスクリーンショットのようにPHPのバージョン情報が表示されたら成功だ。
エラーメッセージが表示されたらだいたい環境変数の設定が間違っているから見直してみる。
環境変数を見直しても動かない場合は「Visual Studio 2017用 Visual C++ 再頒布可能パッケージ」がインストールされていないのかもしれない(PHPのバージョンによっては「Visual Studio 2015用……」の場合がある)。以下のページから必要なパッケージをダウンロードしてインストールしてみて欲しい。
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/2977003/the-latest-supported-visual-c-downloads
PHP.iniを編集する
PHPインストールフォルダの中に”php.ini-development”と”php.ini-production”があるが、通常は”php.ini-production”のほうを使うようだ。なので、 “php.ini-production”をコピーして”php.ini”にリネーム。
メモ帳などのテキストエディタで”php.ini”を開き、以下の記述をコメントアウト解除する(行頭のセミコロン”;”を削除する)。
extension_dir = “ext”(拡張機能のモジュールが保存してあるフォルダ)
extension=php_mbstring.dll(マルチバイト文字を使用可能にする)
その他使用したい拡張機能(extension)があったらコメントアウトを解除しておく。
コーディングと実行
ここまですれば、テキストエディタで記述したPHPプログラムをコマンドプロンプトで実行することができる。
例
> php test.php
プログラミングの勉強やちょっとした動作テストをするにはこれで十分だ。
WEBサーバー上で動かすプログラムの開発にはIISやapacheなどのインストールと設定が必要となるが、わざわざローカルコンピュータに環境を構築するよりもレンタルサーバなどのリモートコンピュータにアップロードして動作確認したほうが手っ取り早い。
プログラムをコーディングするエディタとして筆者がおすすめするのはマイクロソフト社の「Visual Studio Code」だ。「Visual Studio」を冠しているが、同社の開発ツール「Visual Studio 2017」などとは直接は関係ない。基本機能はテキストエディタで、変数や関数名の補完などコーディングに便利な機能を追加することができる。無料でダウンロードできるので使ったことが無い人は試してみて欲しい。
Visual Studio Codeのサイト
https://code.visualstudio.com/